タクシー運転手が運転中にくも膜下出血を起こし、歩道に乗り上げて歩行者が受傷、運転手と歩行者1人が亡くなるという痛ましい事故がありました。
くも膜下出血に注目が集まったこともあり、Yahoo個人に記事を投稿しました
個人として「くも膜下出血を防ぐ」方法としては脳ドックは有効な部分があります。
(「本当に治療が必要な人だけを抽出する」のは難しく、COVID-19におけるPCR検査のようなところがあります)
ところで、3月にも同じような事故が、現勤務地の近くでありましたが、同じような事故は時々起こっています。
渋谷6人死傷、タクシー運転手死亡 入院中意識回復せず (朝日新聞)
バス運転手が意識喪失、乗客3人で停車 富山の高速道 (朝日新聞)
国土交通省に統計があり、今回のような歩行者を巻き込むような事故以外でも、脳血管障害(脳卒中)による事故が起こっていることが分かります。
最近は減ってきていると思いますが、公園などに車を止めて喫煙しているタクシー運転手さんを見かけることがあります。
また深夜帯を含め、長時間緊張を強いられ、睡眠時間も不安定になりがちで、しかも比較的ご高齢の運転手さんも多いことを考えると、脳卒中のリスクが高い職業といえるかもしれません。
もちろん健診が義務づけられており、中には高齢従業員全員に脳ドックを受けさせる、というような事業会社もあるようです(例:つばめ交通)。
しかし、実際に脳MRIを受けて、未破裂脳動脈瘤が見つかった場合でも、過去ブログで述べてきたように対応は一筋縄にはいきません。
それなりに大きい(例えば10mm大)動脈瘤が見つかった場合は、医学的な見地からも治療を勧めることになるでしょうが、それでも治療自体にリスクがゼロではないため、手術を強制するようなものではないと考えられます。
また小さい動脈瘤が見つかった場合に、「では内勤のみに」という対応は現実的ではないでしょう。
「日中の乗車のみに限る」としても、それで大丈夫なのか保証はありません。
また、脳ドックを受けていたにも関わらず、脳ドックの数ヶ月後にくも膜下出血を起こす、ということも実際にはあります。
事業会社が脳血管障害による事故を防ぐためには、健診は大事です。
しかし、やはり車側の安全装置(意識を失うなどの状態を検知して、ブレーキをかけるなど)の開発の方が現実的で重要だと考えます。
(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)
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