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  • 執筆者の写真木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

バイパスの遮断クリップの角度

遮断クリップはできるだけ寝かせるという話。


バイパス手術でrecipientの血流を遮断する際、AVM用クリップやzenクリップ、或いは動脈用クリップを用いるが、その方向にも注意を払おう。


特に最初に経験するような動脈瘤では、浅い表面の血管が対象になることがほとんどだと思われるが、考える方向性は深部でも同様だ。


つまり、縫合操作を行うworking spaceをできるだけ稼ぐということ。


クリップをrecipientに対して直角方向にかけると、このクリップ周囲でのworking spaceが制限されてしまう形になる。


脳神経外科,バイパス手術
単純にかけるとworking spaceが狭くなることがある。

脳神経外科,バイパス手術
側枝を一緒に噛むことで、ややworking spaceが広がる

そのため、遮断用クリップはなるべく寝かせてrecipientと平行な方向に近くなるようにかける方がよい。


脳神経外科,バイパス手術
なるべくクリップを倒してかけることで、working spaceを拡大する。

深部でも同じ考え方だが、深いところでクリップを寝かせるのは容易ではない(佐野式クリップなどは選択肢になる)。

そんなときは弱弯や強弯のクリップを使うことで、血管を挟む部分とheadの距離を稼ぎ、working spaceを少し広くすることができる。


recipientがつぶれる方向。

クリップをかける方向は、切開線に平行にだが、クリップによってrecipientの内腔がどうつぶれるかを想定する。

平行にかけることで、動脈切開時に裏側になる血管壁までの距離ができ、奥側の壁に孔を開けてしまうリスクを減らせるという点で、標準的と考えられる。


しかし場合によっては片側直角、片側は平行にかける方が、内腔が広がって、縫いやすくなる場合もある。



いったん遮断して、動脈に切開をおくと、原則後戻りできなくなるため、遮断の段階で不具合があれば、再度両方のクリップを外して仕切り直すということも選択肢として考えておくと良い。


(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)

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