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  • 執筆者の写真木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

二刀流ってどうなの? その2

更新日:2018年7月6日

二刀流に対する疑問は、技術をマスターするためのラーニングカーブに関するものだけではない。

動脈瘤の治療件数の多い病院(あるいは複数の病院グループ)で、うまくカリキュラムが出来ていれば、両方出来るようになる人も中にはいるだろう。


もっと気になるのは「二刀流になることで、患者さんに最も適切な治療法を選択できる」と言う説である。


脳動脈瘤,二刀流,クリッピング術

そんなことがあり得るだろうか?



私見だが、実際の運用上は、結局、術者が恣意的に治療法を決める、もしくは術者の嗜好で治療法を選択する、ということにしかならないだろう。


果たしてそれは、最も適切な治療だろうか?


つまり、

「この部分の動脈瘤は、この前クリッピングしたから、今度はコイルで詰めてみようとか」「この部分は、いままでコイルを詰めたことがないから、コイルで治療しよう」

果ては、

「今日は急に夕方講演会に出席することになったから、早く治療が終わる方にしよう」

ということにならないだろうか?


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個人の中で、決定がなされる場合、その判断の過程が明らかにならない可能性があり、上のような理由で治療が決められても、検証ができない。


しかも、いったん決めてしまうと確証バイアスが生じるので、結果が悪くても「選択は正しかったのだが」という事にさえなりかねない。


結局、最適な治療の選択は、別々の専門家による議論からしか生まれないのではないだろうか。


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ただ、医療過疎地など、医者が足りない状況であれば、たとえばくも膜下出血の患者さんがいる場合、両方できるというのは意味があるのかもしれない。


上記のような受益者側からすると「え!?」っていうような理由で治療が決まっていても, とりあえず、”合併症なく”止血されればそれで良いわけだ。


それでもやはり、上記のような問題は避けられず、結局「安全に出来る方を選ぶ」という良心(?)に期待するしかないのだが。


(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)

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