内容としては
「火傷したら20分水道水流しなが冷やす! 」
というもの。
Ann Emerg Med. 2020 Jan;75(1):75-85. doi: 10.1016/j.annemergmed.2019.06.028. Epub 2019 Aug 29. Cool Running Water First Aid Decreases Skin Grafting Requirements in Pediatric Burns: A Cohort Study of Two Thousand Four Hundred Ninety-five Children.
Griffin BR1, Frear CC2, Babl F3, Oakley E3, Kimble RM4.
米国・英国・オーストラリアの初期治療のガイドラインでも流水が勧められていますが、どのくらいの時間が良いかという点については、
英国・ヨーロッパ、英国 20分
米国 5分
などばらつきがある。
(ちなみに火傷で検索して出てきたココカラファインのHPでは15~30分となっていました。)
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この研究では0歳から16歳の子供の火傷に関して、十分な流水冷却(20分以上)とそれ以外で、植皮が必要になったかどうかを主要な結果として定義している。
対象期間の間に2769人の小児が登録され、薬品などによる火傷を除いた2495人を解析。
平均年齢は2歳、6割が男児、85%が家での火傷で、最も多かった身体の部位は上肢(手から腕、40%)だった。
火傷の面積の平均は1%( 1%未満~84%)、65.7%が表面もしくはやや深い火傷だった。
つまり、狭い範囲で割と浅い火傷=比較的遭遇しやすい程度の火傷。
96.8%は何らかの初期治療を受けていて、90%が流水で冷やしていたが、20分以上ひやしていたのは7割程度で、火傷を負ってすぐに20分以上冷やしていたのは789人(44%)だった。
植皮が必要になった児は十分な流水冷却では7.8%、不十分なグループでは13.6%で、オッズ比で示すと、20分以上流水で冷却することは植皮を44%減らすという結果だった。
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20分以上なら「長ければ長いほど良いか?」については、30分以上では特にメリットはなく、40分以上だと血管が収縮するなどして「悪い」ということが別の研究で言われているということ。
体表面積の5%未満の火傷が大半なので、広い範囲の火傷では同じように流水で冷やし続けると体温が下がって別の問題が起こる可能性がある。
ただ、日常的に起こる火傷に関しては、
「火傷したら20分水道水を流しながら冷やす!」
が良さそうです。
(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)
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