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もやもや病

  • 執筆者の写真: 木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター
    木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター
  • 2020年4月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年6月19日

もやもや病は、脳梗塞や脳内出血の原因となる比較的めずらしい病気で、カテーテル検査を行うと血管が ”煙のように” もやもやもやっと写ることから、そういう名前がついている。


一般的に脳梗塞は、高齢の方の病気なのだが、もやもや病による脳梗塞は主に子供や若い方に起こり、典型的には泣いたり、リコーダーを吹いたりするときに起こる。


これは、吐く息の量が増えることで、血液中の二酸化炭素が減り、それが脳の血管に作用して、脳の動脈が細くなるためだ。


特に赤ちゃんや幼児の場合には大問題で、泣くと脳梗塞ができたり広がってしまうこともあるため、しばらく全身麻酔を続ける、ということさえある。

いくら子供の脳には大人より回復力があるといっても、大きな脳梗塞ができると麻痺や言語障害などが残ってしまう。


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乳幼児期はもちろんだが、小児期に見つかったもやもや病に関しては、原則外科手術が勧められる。


ランダム化比較試験があるわけではないが、実際問題として、脳梗塞を起こしたり(成長期に)十分な血流が足りない状態が続くことで、「学業や就職に不利になる」ということが知られている。

この点に関しては既にコンセンサスがあり、今後も、もやもや病の子供達を「手術を受けるグループ」と「手術を受けないグループ」に分けて、大人になったときにどうなっているか?というような前向き研究は『倫理的に』できない。


なので特別な理由がなければ治療をお勧めするし、自分の子供でもそうするだろう。


(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)

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