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  • 執筆者の写真木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

バイパス手術でのrecipient動脈切開

Peingで「STA-MCAバイパスでの動脈切開のコツ」について質問があったので、自分の中での(現時点での)整理も兼ねて転記しておく

(回答なので、ですます調になっています)


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Arteriotomyは実際の吻合より難しいですよね。逆にこれがきちんとできれば、あとは練習でやっているように運針するだけなので、そこが本当のキモともいえます。


自分が気をつけているコツとしては、

・ピオクタニンのマーキングの幅・長さ・濃さを十分にこだわる。そのために、ゼロピンを万年筆のように使い、dotを置いていくように着色する。左手(非利き手、以下左手)は吸引管で周囲の空気を吸引して、dry fieldを維持し、ピオクタニンがにじまないようにする。

長さについては、donorをそばに置いておき、長さを直接参考できるようにするが、ちょうどの長さよりは、目視で1.2倍程度の長さを目安にする。


・コスト的に問題がなければお薦めは眼科用ビーマーメス(鋭)を用いて、左手でrecipientを甘噛みするように”把持”して、"引いて"切るとキレイに切開できる。このときも自分の右手を動かしやすい方向を確認して直線運動が行い安い方向に自分の身体(と向き)を変える。

・ビーマーメスが使えない場合は、やはり左手で甘噛みするように血管を保持して、27G針でまず穿刺し、この穿刺部にハサミの刃先を入れてペーパーナイフを開くように切る。

この気をつけることは、27Gを結構刺さないとハサミの刃を入れるだけの孔にならないことで血管径を考えて十分な深さまで刺す。

ちょっと血液がでるだけ刺して、しかもその孔がよく見えない、というのは最悪です。


ハサミは、薄くてよく切れるものを用いる

(それなりの手術件数があるのであれば、1丁はarteriotomy専用にして他のことには使わないようにする。)

またハサミを閉じきると裂け目ができることがあるため、閉じきらずに場合によっては、いったん切開を中断、内腔を洗浄して、切開線・ハサミの閉じる方向を再度確認する。


・北の国の先生がビデオに出しているように、いきなりハサミで切開するのは、持ち替えが少なく、遮断時間を短くできる可能性があるが、これはハサミの習熟が必要で、自分も1件、13年前にrecipientを解離させてしまったことがあるため、今はやっていません。


・K大学系の先生達が行っているように、まず血管に糸をかけ、引き上げて弯曲のハサミで壁を切り取る方法は、(多分他にも意図があるのだと思っていますが)、慣れないと幅のコントロールが難しそうなので、それこそラットなどで練習できないのであれば、ヒトでいきなり行うことはお薦めできません。


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切開線のことを考えると、「よく切れる刃で"引いて"切る」のが一番キレイに切れるように思います。


(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)

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