Peingでいただいた質問
脳外科の忙しさに影響する要素はいくつかありますが、脳外科医が皆、忙しいわけではなく、いくつかの因子はほかの科でも同じです。
1. もともとの勤務が週休1日か2日か。
当直のこともありますが、土日休めるか、日曜のみかは大きいです。
2. 緊急手術が多いか
例えば変性疾患、脊椎/脊髄や機能外科が主体の病院であれば、夜中に呼び出されるようなことはあまりありません。
一方、緊急手術が主体の病院だと、昼間はヒマだけど、夜中は忙しい、ということもあります。
3. 周りに脳外科(の手術対応)ができる病院があるか?
4. 背景人口(担当している医療圏の人口)
2,3,4は互いに関連がありますが、背景人口が多いベッドタウンで脳外科施設が少ないような病院(e.g. 自分が勤務していたところで言えば、埼玉医大川越医療センター)は、緊急手術が多く、忙しい思います。
5.3.と似ていますが、スタッフの数が多ければ、病院としてはたくさん手術をしていても、一人一人は人間的な生活をしているという場合もあります。
6. メインの執刀医が手術が早いかどうか。
(主要な手術だと2-4時間くらいの差は結構あります)。
下記の修行時代は、皆ドングリの背比べで、手術時間自体は結構長かったような気がします。
一方、脳外科が傍目に忙しそうに見えるのは、
①緊急手術が多い
②1件あたりの手術時間が長い
③(病気の種類と手術によっては)術後管理も大変というのが、結構影響しているように思いますが、
②は術者自身はあまり長く感じていないという非対称性があります。
自分の2−5年目のとき(会津中央病院)は、3次救急を取っていて、背景人口15万人に2病院、年間手術件数350−400件(気管切開などのぞく)、血管撮影を週7,8件やっていて、8-23時で(日曜は病院で読書したりしていましたが)365日働いている感じでした。
自分自身の性格と同僚の年次が近くて仲が良かったこともありますが、外科系なので、自分ができることが単調増加しているときは、全然苦にならなかったし、職業人生で一番楽しかったのもこの時期なのです。
巷間よく言われるように、「忙しいこと」=「重要なこと」ではありませんが、必ずしも「忙しいこと」=「苦痛」ではないようです。
(体力が衰えてきたら、また考えが変わると思います)
(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)
コメント