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経過観察

 

上に述べたように未破裂脳動脈瘤の自然歴はよくわかっていません

(また、出血しそうな動脈瘤を持つ全ての患者さんを経過観察するということは倫理的にできないため、今後も分かりません。)

また、出血の危険性は、大型のものを除くとそれほど高いわけではありません。

そのため、根治的治療に関しては判断を保留し、禁煙や血圧を下げながら、数ヶ月後MRIなどを再検査するというのも、妥当な選択肢だと考えられます。

​(ただし、大きさの変化なく出血することもあり、経過観察には意味がないという意見もあります。)

動脈瘤の増大・形の変化は5%/年程度の頻度(20人にひとり)で起こると報告されており、形が変化する動脈瘤は出血の危険性が高いといわれています。

​ですので、形状の変化があれば、再度 治療をお勧めする場合があります。

当院では、治療が必要になる可能性がのある動脈瘤については、最初の発見から3ヶ月後、ついで6ヶ月後、1年後という間隔で検査させていただくことが多いです。

発見後1年で変化が無ければ、動脈瘤の場所・大きさに応じた間隔での経過観察をお勧めしています。

もし経過中に拡大が認められたり、症状が出現したりする場合は、一般的には治療をお勧めします。

 

未破裂脳動脈瘤に対する根治的治療は、あくまで予防的治療です。

​また脳卒中はくも膜下出血だけではなく、年齢を経るに従って脳梗塞のリスクも高くなります。

​当然、脳以外の身体の部分についても、病気にならなくても筋力が衰えたりということは必ず起こってきます。

最終的には、患者さんのライフスタイルを考えて最もよい治療方針をたてることが重要と考えます。

 

日本赤十字社医療センターでは、いつでもセカンドオピニオンをお受けしておりますので、ご相談ください。

 

その場合、可能であれば動脈瘤の画像情報(MRIやCT、血管撮影等のフィルムや、印刷したもの、CDなど)をご持参いただければ、迅速な判断が可能です。

 

 

 

 

また未破裂脳動脈瘤の治療に関する情報はこちらをご覧ください。

Neuroinfo Japan 情報ページ (脳神経外科学会):

http://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/102.html 

Medley 未破裂脳動脈瘤について

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​どのような未破裂脳動脈瘤は治療する方がよいのか?

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