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  • 執筆者の写真木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

ストレスを避けた生活?

更新日:2023年8月8日


この質問を受けるたびに思い出すテレビ番組があります。


それは、2000年代に放送されたNHKの番組で、未破裂動脈瘤を特集していたものですが、そこに60代か70代の男性が出演されていました。

一部、うろ覚えではありますが、

  • 未破裂動脈瘤が見つかった。

  • くも膜下出血を起こしたら大変だ。

  • かといって、手術もリスクがあるらしいので怖い

  • なので興奮したり、ストレスを感じないように生活している

というものでした。


動脈瘤の画像もチラッと出てきて、それが5,6mmの中大脳動脈瘤だったので、「自分が手術すれば合併症リスクは(ほぼ)ゼロだよ。動脈瘤のせいで生活の質(QOL)が下がっているんだったら手術すればいいのに」と、NHKに電話しようかとも思いました(未遂)。


畑のある田園風景の中、散歩しているところを撮影されていましたが、いくら牧歌的な環境で生活していても、ストレスの無い生活なんてあり得るのでしょうか?


それに、ストレスのない平板な生活は、認知症など別の病気の原因にもなりそうです。


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前回書いたように、運が悪ければ寝てても出血するわけなので、それなりのサイズ(ガイドライン的には5mm以上)とか増大傾向なら、最近は血管内手術という手段もありますし、治療を考える方がいいように思います。


20mm以上とか大きくて治療リスクも無視できないという場合は、話は複雑になりますが、大半の5mmとか10mmの動脈瘤の治療リスク(後遺症リスク)なんて、日本のきちんとした病院ならどこでも1%もないでしょう。

(それでも、内心思っていても「100%安全です!」と言えないところが申し訳ないところではありますが)


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未破裂動脈瘤が見つかっただけでQOLが下がるという研究はいくつもあります。

(ほとんどの未破裂動脈瘤は小さくて一生そのままであることを考えると、何でも見つければ良いということではありません。)


実際には”フォローアップMRI予定日の前後以外は、それほどQOLは影響を受けていない”という人も多い可能性がありますが、「動脈瘤が見つかってなければ、やりたかったこと」を我慢する人生は、もったいないなと思った次第です。


(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)


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