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脳神経外科 木村 俊運のページ
脳外科手術をより安全に
顔面痙攣の手術治療
顔面痙攣の手術も私が得意な手術の一つです。
これは、症状が出ている側の、耳の後の部分に切開をおき、頭蓋骨に開けた10円玉くらいの穴から顔面神経をのぞき込んで、顔面神経に当たっている動脈を移動させるという治療です。いわゆる鍵穴手術と呼ばれる手術です。髪の毛は切る部分の周りのみ切らせていただきます。
実際の開頭範囲(ピンク)と、皮膚の切開線(医療用ステープラ(青)のライン)
病気の原因となっている部分を治療するという意味で、根本的な治療であり、初回手術の顔面痙攣治癒率は92%程度です。
欠点としては、全身麻酔の手術が必要であり、入院治療(8日程度)が必要なこと、手術の合併症のリスクがあります。
ただし、術後3日目くらいに退院されて、外来で抜糸する方もいます。
手術で起こりうる合併症としては、同じ側の聴力低下(1人/100件程度),
うまく飲み込めなくなってリハビリが必要になる(<1/100件程度)、傷の感染や髄液漏れ(1~2/100件)などです。
退院後は手術創の状態を確認させていただくため、概ね退院後2週間、4週間後に外来に来ていただき、術後3~6ヶ月後でも顔面痙攣がないことを確認して、終診となります。
余談ですが、内服薬やボトックスをひととおり試された後、手術を受けられた多くの患者さんは、「こんなことならもっと早く手術するんだった」と話されるます。
週刊ポストに解説記事を掲載いただきました(リンク)
代表的な手術所見(イラスト)
鍵穴手術は福島孝徳先生が得意とする手術で、同様の手術を行っていますが、皮膚や筋肉の操作についても、できるだけ患者さんの負担が少なくなるように留意しています。
その手術方法を欧州脳外科学会誌に投稿し、採用されました。(ビデオあり)
Kimura T. How I do it: minimizing muscle damage in microvascular decompression for hemifacial spasm. Acta Neurochir (Wien). 2021 Apr;163(4):1045-1048. doi: 10.1007/s00701-021-04726-1.
片側顔面痙攣の手術(左側)(YouTubeに移動します)
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