これも先日のStroke2018ですが、A.Goel先生が招待講演され、AVMの手術を供覧されていた。
インドでは脳外科医の数がまだまだ少なく、需要が供給を遙かに上回っているため、多くの手術は1~2時間で終わらせないと、手術が”回らない”。
それがAVMも同じということだった。
その手術だが、日本のAVM手術とはかなり趣が異なっている。
日本で学会で供覧される手術は、まず脳溝を広く開放し、feederを確保し、passing arteryを確認して、それからnidusにアタックするもので、昔、Neurosurgery誌に投稿された橋本信夫先生のビデオを理想形とするもの(だと思う)。
Barrowに見学に行ったとき、RF Spetzlerもそういう手術をされていたので、やはりそれがスタンダードなのだと思う。
そして講演ビデオ;
血を出しながら、境界を分け、feederにクリップをかけていく。しかも結構な低倍率。
そして、経験数のなせる技か、剥離し終わった面は結構いい感じに仕上がっている。
全てのAVMを"ちまちま"やる必要はないのかもしれない。
ただし、クモ膜が血で汚れると細かい処理が困難になるためか、深部で脳槽と絡むのはあまり手を出していなさそうだった。
高次脳機能の評価はされていないため、これをそのまま真似していいかどうかは分からないし、中途半端に真似すると合併症、もしくは失血によるトラブル必発だろう。
しかし、AVMの周囲は脳の組織が変性してすでに傷んでいるため、剥離が可能なわけだが、その安全域は我々が思っているよりもう少し幅があるということかもしれない。
(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)
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