top of page
  • 執筆者の写真木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

プリズナートレーニング

Newsweek誌に広告が掲載された頃、「なに、この表紙…」という第一印象で、発売当初は興味がなかった。

しかし同誌面で取り上げられたのと、原著(Convict Conditioning)のAmazon review commentを読んで内容に興味を持った。


ダイエット,自重トレーニング,脳卒中
この表紙は...


この本自体は、刑務所に服役することになった著者が、周りの服役囚から身を守るために身につけざるを得なかったトレーニング方法について書かれている。

ダンベルもトレーニングマシンもない状況なので、自重を用いて行うトレーニング方法だ。


自重のトレーニングといえば、腕立て伏せとか腹筋を思い浮かべるが、いきなり腕立て伏せを始めるのは間違いと述べられている。


ちなみに、Amazonのレビューのどこに興味を持ったかというと、脳梗塞後の患者さんがreviewを書いていて、麻痺で起き上がれなかったのが、このトレーニングの一番負荷が小さいところから始めてとうとう歩けるようになったというもの。

もちろん家族などのサポートがあったと思われるが、基本的には自分でトレーニングすることで、少しずつ筋力をつけていったというところに興味をひかれた。

(reviewが多くて発見できず。下のような虚弱な女子でもOkという点も。)


ダイエット,自重トレーニング,プリズナートレーニング
もともとトレーニングしていない方のreviewの方が参考になる。


自分自身も医学部生のころは、マシントレーニングなどで、けっこう筋肉もついていたのだが、医者になってからはなかなかトレーニングに時間を取ることができず、フィットネスクラブに入会しても全く元が取るどころではない状態。


また特に肩関節周囲の筋肉に関しては、中学生の頃から本当に弱くて、大学生のときも全然おもりを挙げられなかった。


著者によると、それは全く準備の出来ていない筋肉に無理をさせているということであり、遙かに負荷の軽いところから始める必要があるということ。


このような全く筋トレの準備ができていない関節に対して、自重を分散した軽い負荷からのトレーニングが提案されている。


実際にやってみると、もともと筋力がないので、「え、こんなに筋力ないの?」と愕然とするのだが、とりあえず、家でも当直室でもできるので、ハードルが非常に低い


ジムの会員証が財布で眠っている人にはよく分かると思うが、「ジムに行く」「着替える」云々というプロセスが非常に億劫なのだが、そこをすっ飛ばせるという点で優れていると思う。


日本語版のアマゾンレビューを見ると、「負荷が軽すぎる」「時間がかかりすぎる」などのレビューもあるのだが、筋トレする時間が無い人には非常にオススメである。


ちなみに外来を受診される肥満の患者さんにも勧めているが、トレーニングするかどうかに関しては、結局どの程度現状から変わりたいか?という点に尽きる。

結局、この点においてはご本人にお任せするしかないのだ。



(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)

最新記事

すべて表示

くも膜下出血を起こさない脳動脈瘤

一般的に大きさ5mmというのが(日本人では)治療を考える上で一つの基準になりますが、サイズが大きめでもくも膜下出血のリスクは高くないという部分もあります。 代表的なものに『海綿静脈洞部内頸動脈』にできる動脈瘤があります。 どうしてくも膜下出血を起こしにくいのか、というかほとんど起こさないのですが、もちろん理由があります。 くも膜下出血を起こす場所ではないからです。 脳は頭蓋骨の内側にあるわけですが

bottom of page