脳神経外科の極意
- 木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

- 14 分前
- 読了時間: 2分
2006年から6年間、一緒に働かせていただき、微小血管減圧術や良性脳腫瘍の手術を教わった森田明夫先生の新著(教科書?)が出ました。
森田先生は、脳外科界隈では料理好きなことで知られていますが、学生時代は絵画部に所属されており、手術記録のイラストも独特のタッチで描かれていました。
今回の教科書は、なんと「漫画」です。
いかにも森田先生らしい、と言えばそうなのですが、漫画にはとても良いところがあります。
とにかく分かりやすい。というより、頭に入りやすいのです。
自分がどちらかというと、文章よりも画や景色で記憶するタイプだからかもしれませんが、同じような人には、内容が割とすっと入ってくるのではないでしょうか。
しかも内容は、疾患ごとの各論というよりも、もっと基礎的なことや、手術に向かう心構えのような部分が中心です。
脳神経外科の極意というのは、小手先の技術よりも考え方、哲学、大袈裟に言えば生き方なのかもしれません。
その辺り、Sandt先生やYasargil先生、福島孝徳先生の影響を受けているのかなと感じますが
、堅苦しさを感じさせない形で書いています。
とはいえ、その多くは、僕にとっては6年間、森田先生の背中を見ながら、現場で教わってきた内容でもあり、懐かしさを感じながら読み進めました。
(……と書くと、アカデミックポジション(大学)に戻って活躍すべきだ、と仰っていたのに、期待に応えられていないな、という忸怩たる思いも少し湧いてきます。ノブレス・オブリージュという言葉もありますが、今のポジションにもまた別の意味での大切さがあり、「他人の人生を生きてはいけない」という、別の先生の言葉も思い出したりします。)
Facebookで、森田先生が「漫画できました」といった投稿をされているのを見たとき、正直なところ「なんだそりゃ?」と思いました。
ですが、読んでみると、これはなかなか面白くて、他の教科書にはない森田先生らしい味がにじみ出ているようにお思いました。
一般の方が読むと「ちょっと怖いな……」と感じる部分もあるかもしれませんが、若い脳神経外科医やレジデントにとっては、かなり良い本なのではないかと思いました。
(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)




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