コロナウィルスワクチン、95%の有効性ということが言われますが、なかなかピンと来ない、あるいは間違って理解されている方も結構いるようです。
僕も統計の専門家ではありませんが、いまさらながら、英語ですが、分かり安くて、短い動画があったので、共有します。
①ボランティアの人を集めてきて、同じ人数になるように半分に分けます。
青いのがワクチンを打った人、黒いのが打っていない人。

②打っていない人で具合が悪くなる人が、例えば100人いました。

③ワクチンを打っていた人の中で、具合が悪い人は5人でした。
同じ人数のグループから、
ワクチンを打っていなかったグループからは100人、
打っていなかったグループからは5人が、具合が悪くなったので、
ワクチンの効果で95人が具合悪くならずに済んだ、ということです。
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実際に重症化する人が多い場合、この「赤」で示される人数が多いと、入院治療が必要な人数がとても多くなり、他の病気(脳卒中、がんなど)に手が回らなくなります。
なので、ワクチンで重症化する人が95%も減る、というのは実際に大きな効果が得られるわけです。
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しかしながら
5-11歳の子供へのCOVID-19ワクチン接種が始まっていますが、個人的には子供の接種の必要性について懐疑的です。
もともとCOVID-19で重症化する子供は稀=『赤』になる数が非常に少ない。
先日COVID-19で子供さんが亡くなったという報道がありましたが、それはもちろん不幸なことですが、基本的に非常に少ないことは明らかです。
コロナウィルスワクチンに関する情報を提供するこびナビでも、子供については
となっています。
この推奨については、妥当だと思いますし、賛成です。
(「とくに」なので、他の子供にも一応推奨というスタンスと考えられます)
同じ理由で、高齢の方などは、COVID-19にかかれば重症化しやすく命に関わるので、多少熱が出るなどの副反応があっても打つ方がよいと思います。
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本人が重症化するリスクが小さくても、「他の人に感染させなくする効果が高い」場合は、ワクチンを打つ意義は大きいです。(麻疹(はしか)や、ヒトパピローマウイルスのワクチンなど)
しかし残念ながら、今使用されているCOVID-19ワクチンは、「自分が感染していて他人に伝染さないようにする効果」はそれほど高くないようです(半分程度にはなる)(*)。
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市販されている薬にも、小児への投与はよくよく注意するように書かれていますが、その理由のひとつは長期的な影響が明らかになっていないためです。
しかも、副作用については一定頻度で起こります。
麻疹ワクチンやHPVワクチンの接種がひろく行われているのは、副作用の頻度が分かっていて、それを考慮しても効果・メリットが大きいためです。
「ワクチンだからいいに違いない」、あるいは反ワクチンとレッテルを貼るではなく、科学的なデータに基づいて判断する方が良いと思います。
(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)
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(2022/05/12 追記)
2022年5月12日のNEJMに6-12歳へのCOVID-19ワクチンの結果が出て、予防効果は88.0%、心筋炎などの副作用は無し、という結果が出ていました。

アメリカ人とアジア人では、理由が何かは分かっていないと思いますが、重症化リスクが異なるということを前提にする必要があります。
この研究では、プラセボとワクチンで何を比べているかというと、『「呼吸器症状(咳~呼吸困難など広め)もしくは発熱などの身体症状」+PCR陽性』などですが、重症化を比べている訳ではありません。
そこで、確かに上のグラフのように差が付いている訳ですが、実際にCOVID-19の症状が出てPCR陽性だったのは青矢印の地を這うようなグラフで示されている子供達(左にある縦軸に注意)です。
ワクチングループもプラセボグループもほとんど差が付かないとも言えます。
もちろん、その中には重症化する子供もいるかもしれないので、ワクチン打つ方がいいと考える方がいても良いとは思いますが、Twitter上の医師達が鬼の首を取ったみたいに騒ぐのは違うように思っています。
(別に反ワクチンではないので、これ以上の言及は避けます)
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