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脳神経外科 木村 俊運のページ
脳外科手術をより安全に
4. ガンマナイフ
ガンマナイフはガンマ線という放射線を、ごく狭い範囲に集中させることで、(虫眼鏡で紙を焼くように)三叉神経を「焼く」治療です。
三叉神経痛に対しては2015年に保険が通りましたが、三叉神経をガンマ線で「焼い」て、神経自体を傷めることで三叉神経の信号が伝わらないようにして、痛みを治す治療です。
フランスのグループからの報告(2015年)では、91%の方が治療後10日以内に痛みがなくなり、治療後3年で71%、10年で45%の方が内服薬なしで痛みもない状態を維持できていた、としています。
長所は、2泊3日の治療で済むということです。
欠点としては、痛みを起こしていても神経自体に病気があるわけではありませんが、これに放射線で傷を付けることになるため、しびれ(感覚低下)が起こることがあります。
このしびれはかなり不快なようですが、およそ5人に1,2人の割合で起こるとされています。
三叉神経痛の症状が良くなると気にならなくなる方もいらっしゃるということですが、ガンマナイフ自体が三叉神経に傷をつける治療であるため、残ったしびれに対する根本的な対策はありません。
もともと三叉神経痛では、三叉神経自体は正常であり、動脈などの圧迫によって「機能障害」が起こっている状態なので、正常な神経を痛めるという点で、手術専門の脳外科医には抵抗がある治療でもあります。
このため、心臓や肺の問題で全身麻酔がかけられない方や、末期癌などで余命が限られているという条件がなければ、原則お勧めしておりません。
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